作品紹介その5 ミュージカル『ファントム』~原作「オペラ座の怪人」から生まれたファントムの人間像と美しい楽曲~
こんにちは!梅田芸術劇場公式note編集部です。
今月は7/22に梅田芸術劇場メインホールで開幕する、ミュージカル『ファントム』を特集!🎭
まずはこの作品について、そして注目ポイントをご紹介します!
4月に行われた記者発表の記事はこちら⬇️
『ファントム』とは?
フランスの小説家ガストン・ルルーのベストセラー小説「オペラ座の怪人」を原作とするミュージカル『ファントム』。
1991年にミュージカル界の黄金コンビともいわれる脚本家アーサー・コピットと作曲家モーリー・イェストンにより生みだされ、
怪人ファントムの人間像に焦点をあてたストーリーと、独創的な美しい楽曲で高い評価を得て、世界中の観客を魅了してきました。
日本でも宝塚歌劇団が2004年の初演以来再演を重ねているほか、梅田芸術劇場でも2008年の初演から4度に亘り再演しており、
このうち2019年には、主演の城田 優さんが演出も担当されました。
さらに今回は城田 優さんが演出・主演に加えてシャンドン伯爵役でも出演され、「三刀流」に挑みます。
PVのロングバージョンも公開されました!併せてご覧ください✨
あらすじ
舞台は19世紀後半、パリ。
オペラ座の地下深く、醜い顔を仮面で隠し、闇の中で生きている青年エリック。彼は、その姿を目撃した劇場の人々から怪人“ファントム”と呼ばれ、恐れられていた。
歌手を夢見る楽譜売りのクリスティーヌは、オペラ座のパトロンの一人であるシャンドン伯爵に歌を認められ、
オペラ座で歌のレッスンが受けられるよう、支配人のキャリエールを紹介してもらう幸運に恵まれる。
だが、クリスティーヌがオペラ座を訪れると、キャリエールはすでに解任されていた。
新支配人のショレが、妻のカルロッタをプリマドンナに迎え入れ、権勢を振るおうとしていた。
そんなショレに、キャリエールは「ファントムがいる地下には近づかないように」と忠告するが、ショレは一顧だにしない。
そして、訪ねてきたクリスティーヌの若さとかわいらしさに嫉妬したカルロッタは、彼女を自分の衣裳係にしてしまう。
偶然、クリスティーヌの清らかな歌声を聴いたファントムは、ただ一人彼に深い愛情を寄せた亡き母を思い起こし、秘かに彼女に歌のレッスンをするようになる。
ファントムの勧めに従い、コンテストで歌声を披露したクリスティーヌは実力を認められ、「妖精の女王」のタイターニア役に抜擢される。
シャンドン伯爵はクリスティーヌを祝福し、彼女への思いを告白する。そんな二人を絶望的な思いで見送るファントム。
ところが「妖精の女王」の公演初日、クリスティーヌはカルロッタの陰謀で声が出なくなってしまう。
ファントムは失意のクリスティーヌを、自分の住処であるオペラ座の地下へ連れていく。
しかし、それがやがて彼を悲劇の結末へと向かわせることになる――。
相関図
注目ポイント
『ファントム』という作品
本作の原作となったガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」は、実際にオペラ座で起きたシャンデリア落下事件等から着想を得て生まれたとされるミステリー小説です。
原作は大ヒットし、これまで何度も映画化・舞台化され、その度、様々な形で描かれてきました。
日本では劇団四季が上演しているアンドリュー・ロイド=ウェバー版のミュージカル『オペラ座の怪人』もよく知られていますが、
実は創作への着手はモーリー・イェストン版の方が先で、話の展開も結末も異なります。
モーリー・イェストンは、怪人ファントムを一人の青年エリックとして描き、醜い外見の下にある“ファントムの人間性”に着目するという案に基づき、アーサー・コピットと組んで台本を書き上げましたが、
ヒットメーカーであったアンドリュー・ロイド=ウェバーが同じ題材に挑んでいたことで、一度この企画はお蔵入りとなってしまいます。
しかしその後、TVドラマ化での好評を経て、1991年にようやく舞台化が実現し、世界中で上演される演目となりました。
『ファントム』は、梅田芸術劇場では今回5度目の上演になります。
同じ原作小説から、様々な映画や舞台が生まれてきた本作、それぞれのストーリーやキャラクターの違いも楽しんでいただけるのではないでしょうか。
脚本 アーサー・コピット
米・ニューヨーク生まれの劇作家で、『Indians』『ウィングス』でトニー賞にノミネート、『ナイン』でトニー賞受賞・グラミー賞にノミネートされ、
1991年にはミュージカル『ファントム』を発表し、ブロードウェイで多くの上演を果たしてきました。
また、イェール大学などで教鞭も執りました。
2021年4月に83歳で亡くなりましたが、彼が携わった作品は現在も愛され続けています。
作詞・作曲 モーリー・イェストン
作曲家・作詞家・作家として演劇、映画、学問、コンサート音楽の制作、そして音楽学者・音楽理論家として講義等、業界の垣根を超えて幅広く活躍されています。
作詞・作曲を担当した主な作品は、トニー賞受賞・グラミー賞にノミネートされ、国際的に賞賛を得たブロードウェイ・ミュージカル『ナイン』、『タイタニック』、
トニー賞最優秀作品賞・最優秀楽曲賞にノミネートされ、オリヴィエ賞最優秀ミュージカルリバイバル賞を受賞した『グランドホテル』等があります。
彼が長い年月をかけて創作した『ファントム』の楽曲は国内外で高い評価を得て、アメリカやヨーロッパ、日本でも上演されています。
またモーリー・イェストンさんは各国独自の演出にも寛容で、作品発表後も新曲を多数提供するなど、『ファントム』は進化し続けてきました。
楽曲紹介
アーサー・コピットさんとモーリー・イェストンさんが生んだ『ファントム』には、怪人ファントムの人間像を映し出す、美しくてドラマティックな楽曲があります。
その中の一曲、4月の記者発表で城田 優さんが歌唱披露した「♪世界のどこに」。
(記者発表時の動画はこちら👇
https://twitter.com/KyodoTokyo/status/1643494250754240512 )
主人公エリックは過酷な運命により、オペラ座の地下で孤独に生きてきました。そんな中、人生を左右する大事件が起こります。
未来への不安を表わす不協和音から、切ないメロディーに乗せて「すべてが変わった今、どうしたら生きてゆける?」と自問自答し始めます。
次第に「自分の人生の光を灯してくれる存在が、世界のどこかにいるはずだ」と気持ちを新たにしていきます。
やがて壮大なクライマックスへと続く「♪世界のどこに」は、一人闇の中で生きてきたエリックの苦悩、葛藤、かすかな希望までがひしひしと伝わってくるような曲です。
その他にも『ファントム』には美しい楽曲がたくさんありますので、ぜひ作品を彩る曲たちにも注目してみてはいかがでしょうか。
『ファントム』の作品紹介、いかがでしたか? 次回もお楽しみに♪
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