担当プロデューサーが語る!ミュージカル『SUNNY』の見どころ ~観る人をワクワクさせる原作の魅力~
こんにちは!梅田芸術劇場公式note編集部です。
これまで作品紹介や、稽古場レポート等をお届けしてきたミュージカル『SUNNY』。(過去記事はこちらからご覧ください👇)
今回は、公演の企画から制作・マネジメントまで行っている担当プロデューサーに直接見どころをインタビューしました🎤
話を聴くうちに、「SUNNY」という作品の魅力と、
本作にかけるプロデューサーの想いが伝わってきました。
ぜひ観劇前に、見どころをチェックしていただけたら嬉しいです。
見どころその① 原作のコンセプト
なぜ今回、「SUNNY」を舞台化するのか?
その一番の理由は、原作「SUNNY」の作品本来の魅力にあると思っています。
というのも、実は私が初めて韓国版の映画を観た時、
シンプルなテーマなのに「なぜこれまで繰り返しリメイクされてきたのか?」という点が、正直疑問だったのです。
しかし今、キャストの稽古の様子を見て、私なりの解釈にはなりますが、
原作映画の「SUNNY」が伝えたかったことが、分かってきた気がします。
それはとてもシンプルだけれども万国共通の大切なテーマが込められているということ。
例えばですが、もしあなたが友達のお見舞いに行って、その子が大病で「余命何日だ」と言われたら、自分は何をするか?
ということを、想像してみてほしいのです。
何かプレゼントを渡すわけにもいかないし、そこで昔の想い出話だけをしてもなんだか悲しくなるだろうし…
私だったら、この映画のように当時の仲間たちを探して、その友達とみんなで会えるようにすると思います。
そういった想い出づくりしか、渡せるものがないと思うのです。
そして友達が亡くなった時に学ぶのは、「我々はその日その日を一所懸命生きているか?」ということ。それを自分に問いかける。
そんなことを教えてくれる映画だと思うのです。
今の私がそれを問いかけられたら、やはりそこまで一所懸命生きていないと思うのです。仕事や家庭の事情もあり、惰性に流されることもあります。
でもこの作品の登場人物たちは、大病を患う千夏と再会することで、それまでの生活から変わっていきます。
自分だっていつ死ぬか分からない。だからこそ一日一日を一所懸命生きていくべきだということ。
シンプルなストーリーの中で、そういったことをこの作品は伝えているのではないかと、稽古でのキャストの演技を見ていく中で感じるようになりました。
これは私なりの解釈なので、お客様の感じ方はそれぞれだと思いますが、この作品を観て、そんな風に思ってくださったら、
制作に携わっている立場としては嬉しいと思っています。
見どころその② キャストたちの魅力
そんな魅力がつまった「SUNNY」を大人”SUNNY”の5人が、見事に演じていただいています。
だからこそ私は先ほどお伝えしたようなことを感じたのだと思います。
個性豊かなキャストの皆さんに集まっていただいています。花總まりさん、瀬奈じゅんさんは、宝塚のOGでミュージカル系の方々ですが、それ以外はあらゆるジャンルの方にご参加いただいています。
小林綾子さんは時代劇系、馬場園梓さんはコメディアン、佐藤仁美さんは幅広い役柄にわたる経験が豊富、
そして渡邉美穂さん・須藤茉麻さんはアイドル出身など、様々なジャンルの方がミックスし、面白い効果を感じています。
もちろん色んな方がいらっしゃると稽古は大変で、演出家がまとめていくのは大変だと思うのですが(笑)、
それぞれの個性がよく出ていて、キャストが原作映画のキャラクターに近い雰囲気で、演じてくれているのも見どころです。
また、片桐仁さん、鈴樹志保さん、井阪郁巳さんはじめ、複数の役を演じてもらうキャストもいて、多くて8,9役(!)も演じていただいている方もいます。
皆さん出るたびに違うキャラクターを演じ分けておられ、さすがだなと思います。
そしてオーディションで受かった女子高校生役の方たちの、若さ弾ける演技も見どころの一つです。
彼女たちはすごくやる気があって、初日からセリフも全て入っており、パワーのある演技に、大人”SUNNY”の5人も圧倒され、刺激になっているようです。
大人”SUNNY”の落ち着きと、女子高校生たちの若さが対照的で、そのギャップがとても新鮮です。
きっと劇場にいらしてくださったお客様も、彼女たちの初々しさを感じられるはずです。ぜひ注目してみてください。
見どころその③ 80年代歌謡曲
「SUNNY」がリメイクされる際には、どの音楽にするかはその国ならではの特色が出るところですが、今回は80年代の歌謡曲を使用しています。
映画版の舞台となった韓国から本作では舞台を日本に変えると、必然的に音楽は80年代の日本で流行した歌謡曲になりました。
この時代は、日本の歌謡曲の絶頂期とも言える時代で名曲ばかりですので、これは使わない手はないと思いました。
そして脚本・演出の西田征史さん等と話していく中で、80年代の曲といえば、akaneさんが振付をして話題となった「ダンシング・ヒーロー」の「バブリーダンス」だろうと。
本作で使用しているのは全て既存の曲ですが、西田さんがストーリーにあわせて選曲しているため、
とてもフィットしていて、まるでオリジナル楽曲のように聴こえます。
今回の『SUNNY』は、花總さん・瀬奈さんが普段出ていらっしゃる、いわゆる「グランドミュージカル」ではなく、80年代当時の世相を反映させつつ、歌謡曲を織り交ぜながら楽しめる「ジュークボックスミュージカル」です。
それぞれのシーンに、誰もが聴いたことがある曲が選ばれているため、日本人にとって一層共感しやすい作品になっていると思います。
なじみのある音楽で、どなたでも楽しめる作品ですので、普段ミュージカルを観ない方でも、気軽に楽しんでいただけるのではないでしょうか。
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