~舞台美術の世界から見た『太平洋序曲』~舞台セミナーレポート
こんにちは!梅田芸術劇場公式note編集部です。
ついに3月8日からブロードウェイミュージカル『太平洋序曲』が開幕しました!(これまでの記事も併せてご覧ください)
そして先日公演終了後に「舞台セミナー」と題した、裏方に特化したトークショーが開催されました!その様子を少しだけレポートします!🎤
次回の舞台セミナーは3/21(火・祝)17:30公演の終了後に行われる予定です。より詳細を知りたい方…ぜひご参加ください♪
舞台監督と美術補の役割
今回の「舞台セミナー」では、お客様からご好評いただいております舞台美術やセット等を主にご紹介。
ご出演頂いたのは、舞台監督の藤崎遊さん、美術補の岩本三玲さんです。
今回の舞台セットは、日本文化の伝統的な要素である襖や金箔の箱、屏風の色や木目調の模様など、日本らしい「和」の要素も取り入れ、かつ「西洋」の雰囲気も感じさせます。
まずは藤崎さんから舞台の進行に欠かせない「舞台監督」の役割や、稽古期間から公演にいたるまでのお話を頂きました。ちなみに舞台監督は、本番ではタイムキーパーの役割も果たすそうです。
その後セット全体の構成については、実際に舞台上でセットを動かしながら説明されていました。
今回の『太平洋序曲』では、日本だけではなく、イギリスをはじめとする海外からのクリエイターも多く参加しており、
舞台セットのデザインも、イギリスのポール・ファーンズワースさんが担当されています。
その中でサポートをされてきた美術補の岩本さんは、ポールさんからコンセプトを聞きながらそれを反映する役割が大きかったそう。
例えば背景である金色のバックウォールは、岩本さん自身、はじめは分厚くてしっかりとしたものを想像していたようなのですが、ポールさんと話すとパネルは出来るだけ薄いものを求められたのだそう。
確かに薄い方が一枚の美しい紙のような雰囲気が出ることが分かった、とお話されていました。
襖のようなスライダー
スライダーは、ストーリーが滞らないようにミニマムに場面転換をする役割を果たしており、襖のようにスライドしながら入れ替わったり、時には木に見立てたり…等、幅広く使用されています。
舞台セミナーでは、大きさが異なる4枚のスライダーがどのように動かされているか等、隠された工夫もお話して下さいました。
実はこのスライダーを滑らかに動かすために、舞台の床に溝があり(!)、そこを通して動かしているとのこと。
大きさが違うものをシーンによって使い分けているそうです。
また♪俳句の歌(Poems)で香山弥左衛門とジョン万次郎が乗っている一番大きなC型のスライダー。
これは波をイメージしているのですが、全く支えがない構造になっており、この製作や動かし方にも緻密な精査が必要だったそうです。
ちなみに、これは大きいカーテンレールのような仕組みで、上と下にレールを付けて二人がかりで動かしており、
このようなスロープ状のものは機械ではなく人の手で行っているそうです。
中道具について
舞台に登場する道具についても取り上げられていました。
一つ目は朝海さん演じる将軍が乗る籠。こちらも今回の舞台に向けて製作された道具なのです。演出に応じて、様々な仕掛けが組み込まれた特注の籠だそうです。
裏側には小道具が置けるようになっており、上の蓋をあけて将軍様が座布団をしいて座ることができたり、御簾(簾のこと)も開けられるようになっているとのこと。
二つ目に紹介されたのは交渉小屋の模型。こちらは実際の写真から着想して作られており、燃えているような演出にするために、部屋の中から煙が出る仕掛けになっています。
舞台美術の世界から見た『太平洋序曲』、いかがでしたか?
本レポートでは書ききれなかった内容も沢山ございます。
次回の舞台セミナーは3/21(火・祝)17:30公演終了後に行いますので、細かな舞台セットのこだわりを、是非目の前でお楽しみください!
既に観て下さった方もまだ観ていらっしゃらない方も、舞台美術等の視点からも舞台をご堪能いただけたら嬉しいです。
【チケット好評発売中!】
【東京】2023年3月8日(水)~29日(水)@日生劇場
【大阪】2023年4月8日(土)~16日(日)@梅田芸術劇場メインホール
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