作品紹介その8 『テラヤマキャバレー』~異才・寺山修司を描いた驚きの音楽劇~
こんにちは!梅田芸術劇場公式note編集部です。
今回は来月2/9(金)に東京・日生劇場で開幕する、『テラヤマキャバレー』をご紹介します!
この記事では本作について、そして主人公として描かれる異才・寺山修司についてなど、作品をより楽しんでいただくための前情報をお届けしたいと思います。
『テラヤマキャバレー』とは
2023年に没後40年を迎え、その稀有な才能に再び注目が集まっている寺山修司。
もし寺山が今生きていたら、何を思い、何を表現したのか。
舞台は生と死が交錯するキャバレー。
この物語は寺山修司が亡くなる前夜から始まる、オリジナルの音楽劇です。
主演・寺山修司役には、香取慎吾さん、
脚本には、新進気鋭の作家・池田亮さん、
演出には、ウエストエンド・ブロードウェイ・日本とさまざまな国で活躍してきたデヴィッド・ルヴォーさん、
他にも豪華なキャスト・スタッフをお迎えして、これまでにない驚きの音楽劇をお届けいたします。
あらすじ
1983年5月3日(火)、寺山修司はまもなくその生涯を終えようとしていた。
寺山の脳内では、彼を慕う劇団員がキャバレーに集まっている。
寺山が戯曲『手紙』のリハーサルを劇団員と始めたところへ、「死」が彼のもとにやってきた。死ぬのはまだ早いと、リハーサルを続けようとする寺山。
「死」は彼に日が昇るまでの時間と、過去や未来へと自由に飛べるマッチ3本を与える。
その代わりに感動する芝居を見せてくれ、と。
寺山は戯曲を書き続けるが、行き詰まってしまう。そこで、「死」はマッチを擦るようにすすめた。
1本目、飛んだのは過去。近松門左衛門による人形浄瑠璃「曽根崎心中」の稽古場だ。近松の創作を目の当たりにしたことで、寺山の記憶が掻き立てられる。
2本目は近未来、2024年のバレンタインデーの歌舞伎町へ。ことばを失くした家出女や黒蝶服、エセ寺山らがたむろするこの界隈。乱闘が始まり、その騒ぎはキャバレーにまで伝播。よりけたたましく、激しく肉体がぶつかり合う。
寺山は知っている。今書いている戯曲が、「死」を感動させられそうもない、そして自身も満足できないことを。
いまわの時まで残りわずか。寺山は書き続けた原稿を捨て、最後のリハーサルへと向かう。
初心者でもわかる「寺山修司」
1935年に青森県で生まれ、“言葉の錬金術師”と呼ばれた異才、寺山修司。
1967年、31歳の時に劇団「天井桟敷」を結成し、その前衛的な演出と屋外での市街劇等はアングラ演劇として評判となり、後の演劇界に大きな影響を与えることになります。
その後、詩人、歌人、劇作家、小説家、評論家、作詞家、エッセイスト、映画監督、写真家、そして競馬評論家まで、幅広いジャンルでマルチに活動していたことから、
寺山自身が「僕の職業は寺山修司です」と言っていたほど、唯一無二の存在となりました。
そして鋭い感性とスキャンダラスな表現で、時代を挑発し続けました。
寺山の創作活動の根底には、母親に対する感情があります。幼い頃、父親が戦死して以来、母親と二人で戦後を生きてきましたが、寺山が12歳の時に母親が突然家を出ていきました。
一度は母親を憎みながらも、母親への愛情を捨て去ることはできず、そんな母親に対する感情が、膨大な量の作品に流れています。
そして、今回の『テラヤマキャバレー』でも、これは重要な要素になっています。
寺山修司は、1983年に47歳の若さでその生涯を終えました。
亡くなってから40年経った今も、『身毒丸』『あゝ荒野』等の作品が、その時代に合わせてリメイクして、舞台で上演されたり、映画で上映されたりしています。
『テラヤマキャバレー』の注目ポイント
冒頭でもお伝えしましたが、この物語は、寺山修司が亡くなる前夜からを描いた作品です。
寺山修司が死を迎えるその瞬間、何を思ったのか?
自身の死をも劇化し人々に何かを残そうとした寺山修司。まだ残したい言葉がある、胸躍るようなスペクタクルが作りたい、人生という物語を完結させたくない、死を目前にしても、作品を創ることへの熱い思いは消えませんでした。
寺山の前には「死」という登場人物が現れ、「死」と寺山の間で取引が交わされます。
寺山の残された命はいかに?最後に作りたい作品は完成するのか?
「死」を感動させるため、また寺山自身も満足するまで、寺山最後の作品を命がけで作ろうとする愛くるしくも奇妙な劇団員たちと共に作り上げた作品とは?
そして、ボクシングをテーマに今なお幅広い世代に知られるアニメ「あしたのジョー」の主題歌等、寺山修司が作詞した昭和の名曲を数多く揃えて、生演奏でのオリジナル音楽劇をお届けいたします。
壮大なスケールでお届けする音楽劇をぜひお楽しみください。
役名紹介
寺山修司 香取慎吾
―寺山修司の劇団員―
白粥 成河
蚊 伊礼彼方
アパート 村川絵梨
暴言 平間壮一
舌ちょんぎり 花王おさむ
ミッキー 福田えり
青肺 横山賀三
死 凪七瑠海(宝塚歌劇団)
浅野彰一 劇団員:犬尻
小田龍哉 劇団員
葛たか喜代 劇団員
川原田樹 劇団員:ノックノック
日下七海 劇団員
小林風花 劇団員
近藤彩香 劇団員
的場祐太 劇団員:鶏
水口早香 劇団員
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