作品紹介その6 ミュージカル『アナスタシア』~2020年初演以来の待望の再演!実在した伝説を基にした作品の魅力に迫る~
こんにちは!梅田芸術劇場公式note編集部です。
今回は9/12に東京・東急シアターオーブで開幕する、ミュージカル『アナスタシア』を特集!👑
まずは作品についてと、「アナスタシア」の語源や演出の見どころなど、作品をより楽しんでいただける注目ポイントもご紹介します。
『アナスタシア』とは?
1918年帝政ロシアのロマノフ王朝最後の皇帝・ニコライ2世とその一族は、ボリシェビキ(後のソ連共産党)によって殺害されましたが、
皇帝の末娘アナスタシアだけは難を逃れて生き続けたという歴史上の謎「アナスタシア伝説」に基づいた物語で、
第70 回アカデミー賞で歌曲賞や作曲賞にノミネートされたアニメ映画「アナスタシア」に着想を得て制作されたミュージカルです。
記憶を無くした主人公アーニャが、自分の過去を取り戻し、愛する家族と自分の心の帰る場所を見つける旅路を描き、大人から子供まで楽しめる愛と冒険に満ちた作品。
アカデミー賞やゴールデングローブ賞にもノミネートされた名曲「♪Once Upon a December」「♪Journey to the Past」など心に響く楽曲の数々が、アーニャたちが繰り広げる物語を彩ります。
ブロードウェイでも劇評で絶賛されるなど高く評価され、その他スペイン公演、北米ツアー、ドイツ公演など世界各国で上演。
今回の日本版では、アメリカ本国のクリエイティブスタッフと日本公演キャストで上演いたします。
初演は2020年3月の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により延期となり、大阪公演含めて予定されていた全52回の公演がわずか14回で中止となりましたが、この度、遂に再演が決定!
美しい音楽に彩られ、世界最高水準の高精細LED映像等の舞台装置や、きらびやかな衣裳、と華やかな演出、豪華キャストの共演など、見どころの多い作品です。
スポット映像も公開中!併せてご覧ください。
あらすじ
舞台は20世紀初頭、帝政末期のロシア・サンクトペテルブルク。
ロシア帝国皇帝ニコライ2世の末娘として生まれたアナスタシアは、パリへ移り住み離ればなれになってしまった祖母マリア皇太后から貰ったオルゴールを宝物にしながら家族と幸せに暮らしていたが、
突如ボリシェビキの攻撃を受け、一家は滅びてしまう。
しかし、街中ではアナスタシアの生存を噂する声がまことしやかに広がっていた。
そこで、パリに住むマリア皇太后は、アナスタシアを探すため多額の賞金を懸ける。
それを聞いた二人の詐欺師ディミトリとヴラドは、アナスタシアによく似た少女アーニャを利用し、賞金をだまし取ろうと企て、アーニャと三人でマリア皇太后の住むパリへと旅立つ。
そして、記憶喪失だったアーニャは次第に昔の記憶を取り戻してゆく…
同じ頃、ロシア政府はボリシェビキの将官グレブにアナスタシアの暗殺命令を下す。
マリア皇太后に仕えるリリーの協力を得て、ついにアーニャはマリア皇太后と会う機会を得るが、グレブがアーニャを見つけ出し…。
相関図
注目ポイント
ミュージカル『アナスタシア』が作られた背景
「アナスタシア」という名前の語源はギリシャ語で「再生・復活」という意味合いを持ち、自分や家族を探す旅に出るこの物語にふさわしい言葉となっています。
冒頭でもお伝えした通り、本作は架空の物語ではあるものの、ロシアで実在した噂を基に作られた作品です。
ニコライ2世とその一家は、1917年のロシア革命の一年後、革命軍によってシベリアで処刑され、末娘アナスタシアも家族と運命を共にしたとされていますが、
その一方で、アナスタシアだけは難を逃れて生き続けているという噂が世界中に広がります。
その後、自称”アナスタシア”が多く名乗りをあげたことで、「20世紀最大の謎」の一つとして「アナスタシア伝説」が広がりました。
以前このnoteで、『ファントム』には、同じくガストン・ルルーの小説を原作とする別の演劇作品「オペラ座の怪人」があることをご紹介しましたが、
それと同様にこの伝説を基にしたアナスタシアに関する作品が数多く創られ、1956年には映画「追想」、1997年には映画をリメイクしたアニメ映画「アナスタシア」が公開されました。
その後約20年の時を経て、アニメ映画に着想を得てミュージカル版が製作されました。
このミュージカル版では、新たなキャラクターも追加されて、2017年にブロードウェイ公演が始まり、第71回トニー賞でミュージカル衣装デザイン賞など2部門にノミネートされるなど
現地メディアにも称賛され、2年間にわたるロングラン上演となり、その後世界各地で上演されてきました。
『アナスタシア』の演出等について
本作の1幕は、帝政ロシア時代のサンクトペテルブルクが舞台。この時代のロシアはまだ革命の前なので、暗めの色調で表現されています。
そしてロマノフ王朝での衣裳は、公式の肖像画や肖像写真、皇帝ニコライ2世がプライベートで残した膨大な家族写真等も参考に作られたそうです。
そして音楽はチャイコフスキーやプロコフィエフ等のロシア音楽と共に始まります。
バレエのシーンでは、チャイコフスキーの「白鳥の湖」にオリジナル曲が融合して、華麗な舞台が繰り広げられていきます。
2幕は1920年代の活気に満ち溢れたジャズ・エイジのパリが舞台。
ここでは華やかで軽やかな雰囲気となるよう舞台・衣裳等が設計され、ダンスシーンは、時代に合わせたジャズ・エイジのダンスとなり、1幕とは異なったモダンで新しい世界へ変わります。
このように『アナスタシア』は場面転換が多い作品ですが、そこで大きな役割を果たしているのが、舞台の背景にあるLEDスクリーン。
ここに映し出される映像やプロジェクションマッピングによって、サンクトペテルブルクの大聖堂やパリの街並み、汽車で走っている様子などを美しい映像でリアルに表現することが出来ます。
そして美しい楽曲たちが日本語で歌われるのも、海外ミュージカルが日本公演キャストで上演される際の魅力の一つです。
2020年初演の際、稽古前に訳詞検討会という場が設けられ、日本語でも愛される歌になるようにと、試行錯誤の末に訳詞されたものが、今回も歌われます。
ブロードウェイで上演されてきた公演ならではの壮大なスケールと豪華キャストで贈る、愛と冒険のミュージカルをぜひお楽しみいただけましたら嬉しいです。
『アナスタシア』の作品紹介、いかがでしたか?
次回は担当プロデューサーから見どころをご紹介します!お楽しみに♪
公演公式HPはこちら👇
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